よくある九官鳥の輪唱。

ごく平凡な九官鳥の言うことは。

強がりな悪魔の戯言。

空奈が何か言ってるだけ。

 

 

小さい頃のあたしは素直で兄さんに甘えてばかりいた。

いつも兄さんに撫でてもらっていた。

兄さんの手が大好きだった。

今となっては自分でも信じがたい。

 

でもある日、兄さんは親父に殺されてしまった。

しばらくして母さんも過労からの病気で死んで、あたしは頼るものを全て失くしてしまった。

躍起になって、あたしは周りのもの全てを傷つけた。

そうして誰もあたしに近寄らなくなり、独りになった。

そのときから、もう自分は独りで構わないと思うようになった。

 

それからは独りで生きていく為に、物を盗んだり人を傷つけたりしたなあ。

皆あたしの事を「悪魔」なんて呼んで避けていたっけ。

でも、それでいいと思っていたんだ。

 

とはいえ、ある日モンブランやクロノを助けてから、いつの間にか今のように仲間ができた。

背が小さいものだから、仲間に頭を撫でられることもよくあった。

でも、皆兄さんのそれとは違っていた。

撫でられる度にあたしはその手を振り払い、「バカにすんな」っていった。

正直仲間がうっとうしいと思う時もあった。

・・・まあ、何だかんだで離れることもできなかったけれど。

 

でも、あの日にあんたに出会って、

初対面でいきなり頭を撫でられて、

その感覚が兄さんのそれととても似ていて・・・

あたしはその懐かしい感覚に驚いてしまった。

それ以来、あんたに撫でられる度にその感覚に襲われ、少し泣きそうになってしまう。

もっと撫でてほしいなんて思ってしまう。

でも、そんな姿を見せたくなくて、あたしは耐えている。

 

・・・話は変わるけど、あんたはたまに、あたしがあんたの探してる親友に似てるって言うよね?

あんたはそんなひねくれ者とばかり付き合ってたわけ?

もっとクロノやカイリみたいないい子と仲良くしなさいよ。

その方が手間も掛からないでしょ。

あたしの事はいいから。

あたしは独りで大丈夫だから・・・

 

そう口にした少女の真紅の目からは涙が溢れていた。

 

甘える事を放棄した悪魔は、今日も愛に飢えていた。

 

そんな空奈の戯言←要はただのツンデレ((

起きてる時は素直じゃない空奈ですが、寝てる時や寝ぼけてる時は素直だったり←←

寝ぼけて人に「構って」とか「大好き」とか言ったりしますうわあ馬鹿かこの子は((

 

何かスキアと空奈の話ばかり書いてるので、次は別の子の話を書こうと思います((

次はディスとメゾの話にしようかな・・・