よくある九官鳥の輪唱。

ごく平凡な九官鳥の言うことは。

お前に会いたい。

スキアが昔を思い出してる話。

 

 

鮮やかな向日葵が覆い尽くしている花畑で、スキアは一人刀の手入れをしていた。

「あのガキ共・・・厨二病厨二病うるせえんだよ・・・たく・・・」

片目に巻いた包帯を、ついさっきロゼッタ達にからかわれて、苛々して外に出てしまったのだ。

出たはいいが何もする事が無く、こうして刀を手入れしているのだった。

「・・・こいつもどれだけ人の血を吸ってきたんだろうな・・・」

スキアはぽつりとつぼやいた。

 

俺は今までどれだけの人を傷つけ、殺したのだろうか。

全ては村のため、村人のため、そしてあいつのため、だったはずだけどな。

もしかすると、それがいつの間にか自分のエゴに変わっていたかもしれない。

いや、でもあいつを思っていたのは間違いない。

でも、守れなかった。

革命に失敗して殺されてしまった。

ならばせめて一緒に殺して欲しかった。

それさえも叶わず、俺は村から追放され、今こうして生きながらえている。

今はあいつは夢の管理などという仕事をしていて、一応今でも夢の中で会うことはできる。

でも、俺は・・・

 

スキアは首のペンダントを手に持って見つめた。それは「あいつ」にあげようとしていた物だった。

会いたい。もう一度生身の、本当のお前に会いたい。

「・・・メンタル。」

彼はその名をつぶやいた。彼の目には涙が溜まっていた。

 

その涙を拭い、スキアは立ち上がった。すると何かが落ちているのに気がついた。

「・・・手袋・・・?」

それはミトン型の手袋だった。こんな暑い日に一体誰がこんなものを持っていたのだろうか。

「・・・持ち主、探してやろうか。」

少年は手袋を拾い、歩き出した。

 

繰り返される、別れと出会い。

 

 

・・・んでこの後鶫ちゃんと出会ってればいいなという話←

この通り、スキアの元カノ及び夢の管理人の本名はメンタル。弟の名前「フィジカル」とは対を成す単語。ちなみにこの名はスキアとフィジカルしか知りません ((

んどもってスキアは鶫ちゃんを見て元カノを思い出していればいい←